愛に生きる (講談社現代新書) 鈴木 鎮一

愛に生きる (講談社現代新書)

最近の書物を読み慣れている人からすると、良い意味で違和感を味わえる本だと思う。なんというか、包み込むようにふわっとしている。実に眩しい。そして美しい。本書を読むと……自分の心がいかに汚れているか気付かされる(汗)

どこを読んでも著者の純粋で実直で心から優しい人格が伝わってくる。こんなに純粋な人がいていいのだろうかと思ってしまうほどだ。本来的に子供が好きだったらしいし、最初恥ずかしいと感じたタイトルもこの人がつけるのはとても納得がゆく。

愛に生きる (講談社現代新書) 鈴木 鎮一

そして純粋の果てにいつしか築き上がったものの大きさに誰もが驚嘆せざるをえない。大抵の大事業はどこかしらで多少はえげつない手を使っていたりするものだが、スズキ・メソードにおいては、純粋さが突っ走ったら結果的にこんな規模になっていた、みたいな感じで捉えるほうが実相に近いのではないだろうか。

この人より大きなことを為した人はいるかもしれない。しかし、この著者ほど美しき心で、それを成し遂げた人はいるだろうか?

なおスズキ・メソードの本質が書かれている本としては次のものがあります。

新版「スズキ・メソード」世界に幼児革命を―鈴木鎮一の愛と教育