ヒッタイトの知識を伝えるというより、著者の奮闘を伝えるノンフィクション仕立ての柔らかい本となっていて、なんの予備知識もなくても著者の謎解きを追体験するような気分でおもしろく読み進められた。
時に気弱になる姿なども隠さず書いていて、共感がもてる。
鉄を生みだした帝国―ヒッタイト発掘 (NHKブックス 391) 大村 幸弘
わずかな手がかりからいろんな仮説を立ててそれを検証して、謎を解明していく様子は探偵のようである。考古学者というのが何をしている人たちなのかということが具体的によくわかった。
また「何かに熱中すること」の見本を魅せつけられた気がした。