Einstein Played Second Fiddle, The Life of William Hymanson a musician and scholar / Marsha Hymanson

Einstein Played Second Fiddle, The Life of William Hymanson a musician and scholar (English Edition)

ウィリアム・ハイマンソン(ヴァイオリニスト、1914 – 2015)の生涯を、その娘がまとめた本。世界的には知られていないが、アメリカで成功を収めた人のようである。

予想通り、有名人との交流も描かれている(これ目当てで読んだところがある)。ハイフェッツ、エルマン、アインシュタインなどの有名人が出てくる。他にもシナトラやマイケル・ジャクソンをはじめ、関わったポップス界の人々についても言及される。

一番話に出てくるのはサッシャ・ヤコブセンという人。この人はストラドのRed Diamondを海に流してしまったことがある人で、ハイマンソンの師匠でありかかつカルテット仲間。

Einstein Played Second Fiddle, The Life of William Hymanson a musician and scholar / Marsha Hymanson

昔のヴァイオリン界の一端に触れたい人は読んでみるのもよい。娘視点のためやや贔屓目で、父の成功を少し盛って語り気味だが、それもご愛嬌。資料は丁寧に扱っていて、おおむね信じられる話である。一方で、叙述の淡白さと、ヴァイオリンと関係ない話題の多さが難点である(そういう部分は跳ばして読んだ)。

ちなみにタイトルにアインシュタインと出ているが、完全に名前にあやかろうとしている(アインシュタインはほんの少ししか登場しない)。

著者に負けじとヴァイオリンと関係ないことを一つ記しておこう。アインシュタインは靴下を履かない人だったが、その理由をハイマンソンは直接アインシュタインから聞いたという。それは履くのがめんどくさかったからではなく、自分の汚い靴下を妻が洗う姿を見て、そんなことをさせられない、と思ったからだそうだ。靴下を履いていて、汚くしないことはできないし、だったら履かないことにしよう、と決めたらしい。

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