英語支配批判論の、最初の参考文献として最適。
寄稿者は津田幸男、大石俊一、水野義明、伊藤陽一、「戦う哲学者」中島義道、楠瀬佳子の諸氏。
「先駆者」の津田氏、大石氏は英語支配の概要を教えてくれる。
水野氏はエスペラント語使用者においては「同志的友情」が芽生えることを体験から説き、国際語として英語よりふさわしいこと論ずる。
伊藤氏は、日本人は昔から今に至るまで欧米を自分たちより先を行っている追いつくべきモデルとすることをやめないため、これが西欧語の代表たる英語コンプレックスを招来していることを論じる。
中島氏は英語コンプレックスが、日本人の西洋人に対する肉体コンプレックスと重なっていることを鋭く指摘(本書で一番おもしろかった)。
アフリカ文学を研究する楠瀬氏は、英語が支配者側の言語であることに無頓着なままアフリカの人と接していたことを恥じつつ、経験に基づき、英語の支配性を論ずる。