書いておぼえる江戸のくずし字いろは入門 菅野 俊輔

書いておぼえる江戸のくずし字いろは入門

坂本龍馬の史料集の中に、彼自身が書いた手紙がいくつか収められていた。読めたらいいが、もちろん読めない。

たった150年前ほどまで、日本で普通に書かれ読まれていたものなのに、なぜ今の日本人は読めないのか。なぜ自国の文字がこれほど遠いのか――。そんな恨みごとも言いたくなる中で、たどり着いたのがこの一書。

書いておぼえる江戸のくずし字いろは入門 菅野 俊輔

「書いておぼえる」にもかかわらず、とりあえず読んだ。それだけでもことわざなどが少しは読めるようになる。そもそも基本のところが分かっていない者としては、当時はひとつの音に対応するひらがな(らしきもの)が多数あったということ自体が衝撃だった。

欲を言えば雑学的なことにもう少しページを割いて欲しかったという気もするが、こうした分野の最初の本としてふさわしい本だと思う。