石破茂氏の著書『国防』を漫画に噛み砕いて、初心者向けに記した本。
この手の漫画では大事なポイントが簡潔に示されることが多いので、概要を捉えるには好都合だ。
本書読後、北朝鮮から「地対艦」ミサイルが発射されても平気でいられるだろう(射程は100キロくらいしかない)。マスコミは「地対艦」ミサイルと「弾道」ミサイルの区別がつかず、「地対艦」ミサイルで勝手に怖がっていると石破氏は嘆いている。
民間防衛という考え方もわかる。災害には自衛隊が対応してくれるのが普通だが、もし有事で自衛隊が不在のときは? 消防・警察が対応するかもしれない。だがそのとき万一、消防・警察の本来の守備範囲で事案があって、対応してもらえなかったら? 民間で協力するしかない。
イラクへの自衛隊派遣の理由も。輸入に頼る石油の安定供給の危機。国連で決められた国際的な責務。戦後奇跡的に復興した日本へのイラク人民の期待。日米安保。
本書は2007年に紙の本として出版され、2014年にキンドル本として再登場している。