情報の文明学 (中公文庫) 梅棹 忠夫

情報の文明学 (中公文庫)

本書所収の「情報産業論」(1)この論文は、はじめに問いを立てて、それに答えていくという形式のものではない。むしろ、情報といわれるものをさまざまな角度から検討し、その本質をあぶりだす努力を推進力とした、「論考」というべきものである。は、半世紀以上前(1962年)に書かれたものである。この時代に、情報なるものを、将来重要になるものとしてすでに俎上にのせて考察しているのはまったく驚くべきことだ。情報についての最初の重要なつぶやき、といってよいのではないだろうか。

情報の文明学 (中公文庫) 梅棹 忠夫

著者の思考の進め方は、あふれる想像力を総動員したたいへん柔軟なもので、なかなか余人には模倣できない。情報についての興味の有無にかかわらず、著者のやわらかい思考の過程を目撃するだけでも十分に価値のある本である(この意味では同じ著者の『文明の生態史観』もおすすめ)。


脚注

脚注
1 この論文は、はじめに問いを立てて、それに答えていくという形式のものではない。むしろ、情報といわれるものをさまざまな角度から検討し、その本質をあぶりだす努力を推進力とした、「論考」というべきものである。